私の読書遍歴(中学生編小説ver①)

中学生の時の気持ち

エーミールによって少し大人になった私。

この子供から大人になる途中の多感な時期に読んだ本っていちばん記憶に残ってませんか?

私はそうです。

中学生って思春期だったり反抗期だったりそこから脱却したり…

忙しいですよね!(笑)

その目まぐるしい変化に大人はついていけないようで、

中学生になった我が子のことが良く分からない…

というお悩みをよく聞きます。

自分が中学生だった時の記憶があまりないと、大人から見た中学生は理解しがたいのかもしれません。

私は本との思い出と一緒に当時のことを今もよく覚えています。

中学生は「箸が転んでもおかしい年ごろ」

とか言いますよね。私もそうでした。

自分の笑い方が引き笑いすぎて面白くて、そして一緒にいた友達も笑い方が面白くて

お互いの笑い方で爆笑し合い、酸欠になりかけたことがあります。

でも「箸が転んでもおかしい」くらい色んなことを感じ取っているということは

「割りばしがうまく割れないだけで悲しい」一面もあるんじゃないかと。

そのくらい、嬉しいことも悲しいことも敏感に感じ取っているお年頃かもしれません。

実際、私はそうでしたよ。

大人になって振り返ると「大したことない」と笑われるだろうなってことで泣いたり笑ったりしてました。

でもささいなことで傷つくのも喜べるのもこの時だけの特権だったのです。

だからこの時期に読んだ本は忘れない

人間は感情とセットで物事を記憶するんだそうです。

心が動いたことのほうが忘れないのです。

中学生のときは何に対しても心が動きまくる。

本を読むときも心が忙しい。

この時期に本をたくさん読んでいてよかったなぁ!って思います。

読書をして心が動きまくった私はその時の感情と共に実はたくさんのことを学んでいたのです。

中学生の時読んだ小説たち!

中学生編漫画ver.も書いていたら長くなったので記事を分けることにしました。

ちなみに出来るだけネタバレが無いように書いてます。

ハリーポッター

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

概要

言わずと知れた魔法学校ホグワーツを舞台に魔法の世界を書き上げた英国ファンタジー小説。

世界で最も売れた本ランキングTOP10に入ります。

ハリーと一緒に心も体も成長

主人公のハリーは最初は11歳で、巻数が1つ増えるごとに1つ歳をとります。

そして「ハリーポッター」は4巻までは1年に1巻ずつ発売されていました。

つまり、ハリーはリアルタイムで歳をとっていたんですね。

私はハリーと歳が近かったので「一緒に成長してきた」感がめちゃくちゃあります。

こんな名作と一緒に歳をとれたなんてホントに幸せ!

というか、小説の内容自体もだんだん大人向けになりますよね(笑)

作者も読者が一緒に成長することを踏まえて書いてたのかなぁと思います。

そうじゃないと5巻以降が辛すぎるよ…!!

11歳で1~7巻を一気に読み上げた子がいたら感想を聞いてみたいです。

ハリーポッターは高級品だった

2巻までは叔母が買ってくれてそこからハマったのですが、それ以降は自力で入手しなければなりませんでした。

本屋に行ってお値段を見てみると…

ハリーポッター、たっけぇ!!

3巻までは1冊1,800円とかだったと思うのですが、4巻以降は上・下巻2冊セットで3,800円くらいした気がします。

高い…!!高すぎるよ…!!

漫画なら10冊くらい買えるもん。

まだ学生だった私には大金…!!

お誕生日、クリスマス、お年玉を駆使して手に入れてました。

そのぶん喜びも大きくて…

「わぁ…!買っちゃった~~~!!」ってスキップしながら家に帰ってました。

大事にゆっくり読めばいいのに買ったその日に朝まで読んだりしてたなぁ。

叔母のことを思い出す

叔母は私の育ての親みたいな人で、0歳~20歳まで一緒に暮らしていました。

だから小さい頃、うちにはお母さんがふたりいるんだと思ってました。とってもお得!

今は私も大人になり、別々に暮らしているのでなかなか会えませんけどね。

ハリーポッターの楽しさを知れたのは叔母のおかげです。

映画を一緒に観に行ったことや本を買ってくれたこと。

いつまでも忘れないと思います。

特にハグリッドを見ると叔母のことを思い出すんですよね。

叔母には「ビッグママ」っていうあだ名があって、そんな感じのビジュアルだったんですけど…

見た目の話じゃないんですよ。

「おせっかいで首突っ込んでくるくせに、あんまり頭が良くないからトラブルメーカーで…(これだけ聞くとただの悪口だな)

でもとんでもなく優しくて愛情がおっきい。」

そういうところが似ています。

ハリーは孤児で人間界では孤独。

11歳からは魔法界でハグリッドをはじめ、たくさんの人に愛されるようになります。

「ハリーポッター」は愛の物語なので色んな愛の形があることを学んだ作品です。

十二国記

月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)

概要

中華風異世界が舞台の和製ファンタジー小説。

1作目は日本の高校に通う15歳の少女、陽子が主人公。

最初はティーン向けに発売されたライトノベルですが、まったくライトではない

シリーズ全編を通して描かれているのは「生きることの難しさと如何に対峙していくか」であると担当編集者はいう。

どこがライトやねん。

ネタバレなしで楽しんで欲しいけど最初の1冊が重すぎる

これは十二国記ファンがお友達に勧めたときにぶつかる問題。

この問題を解決するためにファンは言います。

「ねずみが出てくるまで耐えろ…!!」

ところがこのねずみ、なかなか出てこない。

その間ずっと辛い。陽子ずっと理不尽な目に遭いまくる。

だからこそ物語後半で得られるカタルシスが最っ高…!!なんですよね!!

友だちの親戚すごい人だった

「十二国記」は中学生の時に、友だちの親戚が作者だということで読み始めました。

その子の周りでだけ流行っていると思っていたんです。

そしたら…

2002年にNHKでアニメ化されました。

あの衝撃は忘れられない。

「読んでいた小説がアニメ化された」のも初めての経験。

そしてアニメ版が小説版とぜんぜん違うことにびっくりしたのも初めての経験(浅野君?知らない子ですね)

十代の女の子たちが抱えていた悩み

十二国記のシリーズは作者がティーン向けの少女小説を執筆されている際に届いたファンレターがきっかけだそう。

そこには十代の女の子たちの悩みが綴られていて、「十二国記」はその返信の代わりだそうです。

シリーズ最初の主人公である陽子はこの悩みを相談した十代の女の子たちが原型。

陽子は「親の理想の子」を演じる女子高生。

両親は「おしとやかな女性像」を陽子に求め、ズボンも履かせてもらえないほど。

学校でも周囲の目を気にして「優等生」を演じていた。

本音で話し合える友人もなく、当たり障りのないさみしい人間関係しか築けず…

学校でも家庭でも常に疎外感を感じて暮らしていた。


物語のはじめ陽子が抱える悩み

この陽子の悩みこそ、当時の十代の女の子が抱える悩みだったんですね。

この悩みを作者の小野不由美さんは真剣に受けとめて、物語を通してエールを送ってくれました。

途中どん底に突き落としてくるけど、メッチャメッチャ優しい人たちがふいに見せた厳しさのせいです。

この記事ではネタバレしたくないので本編には触れませんが、あとがきに書いてらっしゃった言葉がすごく心に残っています。

すべての人間にとって、本人こそが主人公なのだということを、ゆめゆめお忘れなく。本を閉じたあとにでも、ふっと思い出していただけると幸いです。

「月の影 影の海」

ゆめゆめお忘れなくっていう言葉のチョイスいいなぁ。

他人の人生を生きるな。

自分の人生を生きろというエールですね。

「道しるべ」になった2冊

中学生~大人になるまでの間、ずっとこの2つの作品がそばにありました。

私が大人に近づくにつれて、ハリーや陽子も心の成長を見せてくれました。

勇気をもって困難に挑む2人の姿はいつでも私の道しるべでした。

リアルタイムで素晴らしい作品が連載されていた奇跡と本との出会いに感謝です。

だけど、その道は決してまっすぐではない…。

次回!「私を中二病の道に突き進ませた2冊」おたのしみに!

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